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国語の課題図書の取り組みが素晴らしい~正直、私も受けたかった~

皆さんは、中学校や高等学校に在籍している間に何冊の本を読みましたか?私自身、大学生の後半になるまでほとんど本を読まない生活を送っていました。高校生の頃、「本なんてつまらない」と思っていましたが、今、英語教員として本の重要性を痛感しています。

松蔭中学校・高等学校の国語科の取り組みとは?

松蔭中学校・高等学校の国語科では、中学生・高校生の成長段階に応じた課題図書を選定し、生徒に提供しています。この課題図書は、定期考査にも出題されるため、生徒たちは「テストに出るなら読まざるを得ない」と考えることで、自然と読書に取り組むようになります。

本を読もうともしなかった私のような生徒には、学校プログラムで読書体験の機会があるのは、羨ましい限りです。それに、単に食わず嫌で、「本を読んでみたら面白かった!」そんな風に感じる子もやはり多いです。

例えば?中学1年生の1学期なら?

例えば、新潮文庫の『くちぶえ番長』が中学1年生1学期の課題図書として採用されていました。

紹介文:小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。転校早々「わたし、この学校の番長になる! 」と宣言したマコトに、みんなはびっくり。でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは、誰よりも強く、優しく、友だち思いで、頼りになるやつだったんだ――。サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。

上記リンクより

神戸の私立中学校の状況:本校では、東は京都、西は岡山から生徒が集まります。集まる中学1年生たちは、生まれ育った地域や教育内容、話す方言まで異なり、当然ながら価値観も多様です。そうした文化的背景の違う生徒たちが、新学期の始業式で一斉に集まるわけです。最初はお互い様子を伺いながら、少しずつ人間関係を築いていきます。

「くちぶえ番長」に描かれる人間関係や成長の過程は、まさにこの新しい環境に飛び込む生徒たちに重なるものがあります。

国語科の先生に直接お聞きしたわけではありませんが、そうした物語の内容が生徒たちの生活と共鳴していることは、英語教員の私でさえ感じられるほどです。

国語科の課題図書プログラムのすごさ

図書×タイミングでの学び

松蔭中学校・高等学校の国語科では、生徒の現在の状況や興味を考慮し、「今、この時期だからこそ、これを読んでほしい!」という視点で本を選定しています。このアプローチが、生徒にとって響く内容を提供し、読書を通じて新たな学びの機会を与えています。

先生方の情熱と協力

本を選ぶためには、多くの本を読み、生徒たちの状況を考慮する必要があります。職員室での先生方の意見交換は、教育者としての情熱を感じさせる重要な場です。たとえば、A先生とB先生が「今の子どもたちはこういう状況だから、この本が良い」と意見を出し合い、それぞれの知見を活かして最適な本を選ぶ協力体制が整っています。

読書が生徒に与える影響

読書は、生徒にとって広い視野を養い、新たな知識や価値観に触れる貴重な機会です。それが、学校の中で、「今、これを読んだら生徒たちに響く!」という視点で導入されているので、少しでも多くの生徒が読書の楽しさを感じるように、とつながっているのでしょう。

今後、こういう本を読む機会を通して、より多くの生徒が読書の楽しさを知り、自発的に本を手に取るようになることを期待しています。

いやーそれにしても、私も中学生・高校生の時、この取り組みを受けたかった!


松蔭中高の図書館も素敵な取り組みをたくさん実施しています。