言葉を読んで応用する力を高めたい~学校でRSTを導入した経緯~
言葉を操る力が伸びれば、もっと伸びる。
そう思い、松蔭中高GSGLでRST(リーディングスキルテスト)を導入した。RSTとは、教科書を読む力を測るテスト。
RST導入の経緯
どんな学びのアプローチでも、インプットの大切さは変わらない。インプットなんていらないという教育者は1人もいない。
中高生になるともちろんそれは、言語情報を通して行われる。教科書をしっかりと読めて、応用もできれば、もちろん学力はあがる。
とは言っても、それが難しい!
だからこそ、生徒たちの“言葉を操る力”をより分析して、あたまのなかの得意/不得意の言語処理を分析して、個別にアドバイスをすることで、最適な方法で、生徒たちの能力を伸ばしていきたいわけです。
大人でも、読み違いはあり、どういう時に読み違いしやすかはある。
それが分かったら、良い自己分析になり、弱点克服のきっかけになるに違ないない。そして教える先生方にとっても、どういう部分を意識すべきかがわかる。
そういう経緯で、RSTを導入した。
RSTで測れる力(7分類)
出典及び画像は、RSTのHPより。
能力値7分類
・係り受け解析
文の構造を正しく把握する。読解力の最も基礎となる能力。
・照応解決
代名詞が何を指しているかを正しく認識する。
・具体例同定(辞書)
辞書の定義を用いて新しい語彙とその用法を獲得できる。
・具体例同定(理数)
理数的な定義を理解し、その用法を獲得できる。
・同義文判定
与えられた二文が同義かどうかを正しく判定する。語彙力や論理力が必要。
・推論
既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断する。
・イメージ同定
文と非言語情報(図)を正しく対応づける。
感じていること
世間では
・読解力を伸ばそう
・語彙力が大事
・まずは国語
などと、よく言われている。確かにその通りで、それが全ての学力につながる。だけど、その力を伸ばす方法があまりにも「漠然としている」と感じるわけです。
例えば
・定期考査/実力考査で良いスコアをとろう。
・本をたくさん読もう
・普段からの授業を大切にしよう。
・普段から考える意識をもとう。
全部、読解力や思考力を養うことにはつながる。
全部、大事。
だけど、客観的に今の自分の力がみえない。
RSTの導入は、この部分について一歩進んだ具体的な解決策になる。
・生徒一人ひとりの読解力/言葉の力が詳細に分析される
⇒自分の得意・不得意が把握できる。
⇒先生にとっても効果的な指導が何かがわかる。
この取り組みを通じて、言葉を操る力を伸ばし、生徒たちの学力向上に繋げていきたいと思います。最も基本となる言葉の力が伸びれば、全教科や日常生活にもきっと良い影響を与えることができる。
まずは言葉ありき。
言葉の力を伸ばすことこそが、
きっと生徒たちの未来の可能性を広げていくに
違いない。