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高校生の作文:カナダで学んだこと

 「空気読みなよ。」日本ではこんな言葉がよく教室や集団場で出てくる。日本では周りに合わせることが重要視されている。空気読めない人のことを空気読めないの略でKYという造語があるほどだ。「空気読みなよ。」という言葉を言い換えると「もっと周りのことを考えなよ。」「わざわざ言わずとも相手のことを察してよ。」という風に言える。日本が集団主義であり相手のことを思いやることや協調性を大切にしている国であるからこのような言葉がうまれるのだろう。日本の相手を思いやる精神はとてもいい文化だが、カナダに行ってからそれは本当に思いやりの精神なのだろうかと疑うことが多くなった。

 カナダ留学中にハロウィンがあった。9割の子が学校に仮装していって先生も仮装していた。警察の仮装をしていると通りすがりの知らない子からあなたの仮装いいねと褒められた。正直なんて答えたらいいか困った。日本では謙遜するのが当たり前だ。例えば、可愛いと褒められても大体の子が「そんなことないよ。」と答えるだろう。日本は謙虚さを重要視する文化がある。これは、自己を控えめにし、他者を立てることで人間関係を円滑にする考え方からきているのだ。それに対してカナダでは褒められたら素直にありがとうと答える子が多かった。それはカナダでは個人主義が尊重される文化だからだ。自分もいいし相手もいいという考え方なのだ。カナダにおいては褒められて謙遜するのはむしろ失礼なのではないかと思い始めた。

 カナダで印象的だったのは上下関係がなかったことだ。日本では先輩後輩があり先輩には敬語を使い尊敬するのが当たり前である。だが、カナダでは年齢関わらず大きいテーブルで昼食を食べていた。他にも休み時間に年齢関わらずバレーボールをして遊んでいた。カナダでの人に対する接し方は先輩も後輩も友達の感覚に近かった。日本では年に差があるとお互いに気を使うため同じことをするのは難しいと感じた。日本の会社では年功序列が多いため目上の人には気を使い言いたいこともはっきり言えないことが多いかもしれないが、カナダではもっと上下関係がフラットな関係であるため活発的に意見交換が行えるのではないかと感じだ。

 日本では相手のことを立てる文化だがカナダでは相手も自分も対等という文化だった。これからの時代に多様性が広がるのであればカナダのような社会が求められるのではないかと思う。そのため、これからは年齢や性別などにかかわらずしっかり目の前にいる人と対等に向き合っていきたい。

2人目

 私がカナダ研修で学んだこと、それは何に足しても学ぶ姿勢を忘れないこととどんなことも楽しむことだ。

 特に勉強になったのが現地の生徒たちの学ぶ姿勢だ。私はカナダに行く前は学校の授業の内容だけを勉強して覚えればいいと思っていたが現地の生徒は授業以外の休み時間の遊びや私が紹介した日本のこと、教えた日本語のことなど「自分たちの知らないことならなんでも知りたい!」とたくさんのことに興味を持ち、調べたり実際に私が教えた日本語を使ったりしていた。私はこの光景をみて学業以外にも学ぶところはたくさんあるのだと気づいた。だから私も実際に現地でホストファミリーと話をして疑問に思ったことや気になったこと、学校の授業で勉強して不思議に思ったことなどをすべて尋ねるようにした。そうすると今まで私になかった価値観や考え方が生まれるようになり、学業以外に対する学びの姿勢の大切さを実感した。

 もう一つ大切は、何事も楽しんで行うことだ。私が行った学校では1授業90分と日本の授業の倍くらいあり時間割も毎日同じだった。私は正直、その生活に飽きてしまうのではないかと思い実際に現地の生徒に「毎日同じ授業を受けて退屈じゃないの?」と質問をしてみた。すると彼女は「時間割は同じかもしれないけど毎日違ったことを勉強するから何を勉強するのか楽しみなの。」と返してきた。私は「授業=退屈なもの」としかとらえていなかったけれど彼女は「授業=新しいことを学べる楽しいもの」と考えていた。私は何事も楽しくとらえれば自然と楽しくなってくるのではないかと思った。私はこの考えを数学に活かしたい。私は数学が大の苦手で数式を見るのも嫌なのだが「数学=楽しいパズル」という見方をすれば面白くなるのではないだろうか。カナダの生徒たちの授業を受ける姿は私の目には生き生きとして見えた。同じ年代の子たちからこんなにも学ぶことがあるのか、国が違うだけでこんなにも自分の考えが変わるのかと少し驚いた。私はこれからもきっとたくさん嫌なことに出会うと思うがこの経験を活かして最大限に楽しみたいと思う。

3人目

 カナダでの一か月間の生活で、多くの貴重な経験を通して、学びを得ました。ホストファミリーとの生活では、自分のことは自分で行う大切さを実感しました。ホストファミリーは家族の一員として温かく迎えてくれましたが、家事の手伝いなど身の回りのことを自発的に行う姿勢が求められ、異なる家庭での生活に柔軟に適応する力も身につきました。こうした自立心や適応力は、今後の生活や人間関係に活かせると考えております。

 また、カナダの学校では、日本と比べて専門的かつ実践的な授業が多く、非常に刺激を受けました。コスメトロジーのクラスでは、マネキンを用いたヘアアレンジやヘアケア、頭の洗い方などを学び、ビジネスのクラスではTシャツにロゴをプリントするなどといった実践的な活動を経験しました。さらには実際にビジネスを持つ方々のスピーチを通じて、現実のビジネスの一端に触れる機会もあり、学ぶだけでなく自ら手を動かして学ぶことの重要性を強く感じました。こうした実践的な経験を通じて、将来の職業選択や目標に向かう姿勢が大きく変わったように思います。

 一方、カナダでの生活を通して英語の壁にも直面しました。ホストファミリーや友人との会話ではカジュアルな表現やネイティブスピードが難しく、また授業では専門的な語彙が多く翻訳が追いつかないこともありました。この経験から、語彙力の強化が英語学習の最優先課題であると気づき、単語帳での勉強に加え、会話中に出てくる実用的な単語も覚えるようにしていきたいと思います。また、普段行っているオンライン英会話レッスンが私のレベルに合わせられていることにも気づき、ネイティブ英語に触れる機会を増やしてリスニング力を高めることが重要だと感じました。例えば、英語のニュースやポッドキャストを活用し、国際的な環境でも対応できる英語力を身につけたいです。

 このように、カナダでの経験を通じて多くの課題と目標が生まれました。今後も自分の成長に向けて努力を続け、この貴重な学びを日々の生活や学習に活かしていきたいと思います。

コメント

カナダでの留学体験を通して、それぞれが日本とカナダの文化の違いや学びの姿勢、生活の工夫に対して深い気づきを得たことがよく伝わってきます。特に、 「謙虚さや上下関係といった日本の文化を見直しつつ、多様性や対等な関係を尊重する姿勢」「何事にも楽しんで学ぶこと」 、そして 「自立心や語学力向上への意識」 というテーマが浮き彫りになってきている。

これらの経験は、これからの生活や学びに大いに役立つだけでなく、自身の視野を広げ、未来への可能性を広げる大切な礎となるに違いありません。それぞれの具体的なエピソードや考察も素晴らしく、次のステップに向けての目標設定がしっかりしていることに感心しました。この貴重な経験を忘れず、さらに深い学びと成長を期待しています!


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